ステロイド内服時のB型肝炎ウイルス検査について
近年、悪性腫瘍や自己免疫疾患の治療において、抗癌剤や免疫抑制剤・ステロイドが使用されています。それに伴いB型肝炎既感染者でHBウイルス(以下HBV)の再活性化による劇症肝炎の発症が問題になっています。HBVの再活性化はステロイドや免疫抑制剤の減量中あるいは投与終了後に起こり、劇症肝炎が発症してから抗HBV療法を開始しても死に至ることが少なくありません。
2019年8月27日日本耳鼻咽喉科学会より突発性難聴、顔面神経麻痺等のステロイド治療におけるB型肝炎ウイルス再活性化防止に関する指針が発表され、2020年12月10日に改訂されました。
突発性難聴や顔面神経麻痺、あるいは低音障害型感音難聴、自己免疫疾患などの患者に対し全身ステロイド治療を行う場合、ステロイド投与と同時にHBs抗原・HBs抗体・HBc抗体の検査を行います。
HBs抗原が陽性の場合はB型肝炎を発症する可能性があるため、治療を継続しつつ肝臓専門医に紹介します。また、HBs抗原が陰性でもHBs抗体・HBc抗体のいずれかが陽性の場合はB型肝炎を発症する可能性があるため、ステロイドを2週間以上投与する場合は肝臓専門医に紹介します。
但し、HBVワクチンの接種歴のあるHBs抗体単独陽性者は除きます。
