好酸球性副鼻腔炎

好酸球性副鼻腔炎とは

 好酸球性副鼻腔炎とは、両側の多発性鼻茸(はなたけ)と粘調な鼻汁により、高度の鼻閉(鼻づまり)と嗅覚障害(においがしない)を示す、成人発症の難治性副鼻腔炎です。抗生剤は効果なく、ステロイドの内服にのみ反応します。鼻腔内に鼻茸が充満しているため、鼻副鼻腔手術で鼻茸の摘出を行いますが、すぐに再発します。また、鼻閉と嗅上皮の障害により嗅覚は消失します。嗅覚障害のため風味障害を含め味覚障害をきたします。

 気管支喘息、アスピリン喘息(アスピリン不耐症)を伴うことが多く、鼻閉のための口呼吸が喘息発作を誘発し、著しい呼吸障害を起こします。また中耳炎を伴うこともあり、好酸球性中耳炎と命名されています。この中耳炎は、難治性で聴力障害は進行し、聾(ろう)に至ります。鼻粘膜には多数の好酸球浸潤を認めるが、中耳炎を伴う耳漏にも多数の好酸球浸潤が認められます。

 経口ステロイドは、本疾患が良性疾患のため、主治医は継続使用にためらいを感じ、数か月で投与を中止すると増悪します。上気道感染によっても症状が増悪するため再度経口ステロイドを投与せざるを得ない状況になります。

 原因は不明です。

 

 

 

診断基準

 JESRECスコア合計が11点以上を示し、鼻茸組織中好酸球数(400倍視野)が70個以上存在した場合を確定診断とする。

  〈JESRECスコア〉

    ①病側:両側           3点

    ②鼻茸あり            2点

    ③CTにて篩骨洞優位の陰影あり  2点

    ④末梢血好酸球(%)2< ≦5        4点

               5< ≦10    8点

             10<        10点